調査ご協力のお願い(国保より)
2017年11月09日
研究について
静岡県立大学の国保研究室では、現在「育児休業期間を生かした女性向け人材育成施策に関する研究」を企画しています。育児休業期間を経て職場に復帰する女性を対象に、どのような支援策が効果的であるかを明らかにし、よりよい支援策の企画・提供へつなげたいと考えております。具体的には、2018年の春に職場に復帰する予定である育休中の女性(正社員・総合職)に、当プロジェクトが提供する育休プチMBAをベースにした復職支援プログラム(有償)を複数回受講いただき、その前後でアンケートにご回答いただきます。当プログラムは一般には公開しておらず、研究にご協力いただく企業様から自社の育休中の従業員にご案内いただいて申し込むという流れになっています。既に多くの企業さまのご協力をいただいていますが、あと数社の協力を賜りたく、もしご関心がある企業様がいらっしゃいましたらお知らせください。育休プチMBAの様子はこちら(https://youtu.be/9buxkSqdrAs)で動画がご覧いただけます。
期間:2018年1月~3月
場所:東京都内
対象:管理職パスが存在する正社員総合職の女性で育休中の方。
本研究の背景と目的
現在日本の8割以上の事業所で育休制度が利用されていますが、依然、第1子の出産で働く女性の約5割が離職します。この現象は他の先進国には見られません。企業にとって、知識も経験もある人材が現場を去ることは大きな痛手です。
リサーチプロジェクトの代表である国保は、企業の管理職・リーダー層向けの経営教育での経験を元に、2014年7月に育休者を対象に「育休プチMBA」という勉強会を試験的に立ち上げました。その勉強会を育休中に受講して復帰した人たちからは、「育休前よりも働きやすくなった」「仕事が楽しくなった」「同僚や上司との関係が良くなった」「上司からのサポートをうまく得られるようになった」「長期的視点でキャリアを考えられるようになった」といった声が寄せられています。2017年に復職後の意識の簡易調査を実施したところ、育休中にこの勉強会に参加した群と参加していない群では、復職後の就業意欲や組織貢献意欲に差が出ていることが明らかになりました。参加群は離職意向が低く、より広い視点で自らの業務を捉えており、組織への貢献意欲が高まっています。
そこで研究者として、こうした育休期間を利用した教育施策の価値を客観的に把握し、より広く社会に提案したいと考えてプロジェクトを立ち上げました。この研究を通じて、これまではキャリアのブランクだと捉えられていた育休期間が能力開発期間に転じる可能性があること、またこどもを育てながら働きやすい環境をつくるために必要なことを企業や社会に提案していきたいと考えています。
静岡県立大学・国保祥子研究室 リサーチプロジェクト
E-mail: ikukyu.mba.research(アットマーク)gmail.com
(国保)